高血圧
平成26年2月28日一部改訂
世界標準の新しい高血圧のガイドラインJNC8(Eigth Joint National Committee)を新たな参考として変更しました。
JNC8ではあらたに9つの勧告をだしており、以前と比較してゆるやかな基準となっています。
JNC8は、委員会のメンバー全員が利益相反(conflict of interest)を明らかにしており、その点からも信頼できるガイドラインです。日本は少しみならってほしいですね。
以下日本の高血圧ガイドラインにJNC8を追記します。
あらたな推奨
【1】 60歳未満は140/90以下が目標。
【2,3】 60歳以上では150/90以下が目標。
【4,5】 糖尿病、慢性腎臓病(CKD)を合併する患者さんでは140/90以下が目標。
【6】 降圧薬の初期治療はサイアザイド系利尿剤、CCB、AEC阻害薬、ARB。
【7】 黒人では、初期治療はサイアザイド系利尿剤、CCB。
【8】 慢性腎臓病(CKD)では初期治療は、ACE阻害薬かARB。
【9】 降圧目標に1か月で到達しなければ、降圧薬を増量。
1.高血圧の分類
下の表のように分類されています。
危険因子をリスク層の第1層から第3層に分類し,第2層にはメタボリックシンドローム,第3層には慢性腎臓病(CKD)がはいっています。
Q.血圧はいくつならいいですか?
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【JNC8】今年発表された世界標準の高血圧のガイドラインJNC8では、これまでのガイドラインと比較して、ゆるやかなガイドラインとなっています。
比較的新しいポイントとしては以下です。
1.60歳未満は140/90以下が目標。
2.60歳以上では150/90以下が目標。
3.糖尿病、慢性腎臓病(CKD)を合併する患者さんでは140/90以下が目標。
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Q.自宅でいつ血圧を測ればいいですか?
家庭血圧の測定方法のポイントは、
1.上腕(にのうで)にまくタイプの自動血圧計を使ってください
2.朝晩2回測定してください。
3.朝はかる時は、起床後1時間以内、排尿後、朝の薬の服用前、朝ごはんを食べる前、座って2分安静後、にはかってください。
4.晩はかる時は、寝る前、座って2分安静後、にはかってください。
5.1-3回はかって、できればすべて記録してください。
余裕がなければ、1回でもいいです。ガイドラインでは1回でもいいとなっています。
6.高かったり、低かったりしても、一喜一憂しないようにしてください。
3.降圧薬治療
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【JNC8】
あらたなポイントとして、ARBとACE阻害薬の併用はさける。
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主要降圧薬として単剤もしくは併用使用を目的に最初に服用した方がいい降圧薬ほ方法は,
1)降圧薬は1日1回投与を原則とするが、24時間にわたって降圧することがより重要であり、1日2回の服用が好ましいこともある。
2)降圧目標を達成するためには、多くの場合2、3剤の併用が必要となる。その際,少量利尿薬を積極的に併用すべきである。
3)合剤により処方を単純化することは継続しやすく、血圧コントロールの改善に有用である。
4.心疾患合併例の治療指針
心疾患を合併する高血圧の治療について,JSH2004の虚血性心疾患の区分が狭心症と心筋梗塞後の2つに区分された。
心筋梗塞後では,
1)慎重に130/80mmHgまで降圧。
2)RA系抑制薬,β遮断薬が第一選択で,降圧が不十分な場合には長時間作用型Ca拮抗薬,利尿薬を追加,
さらに,低心機能症例にはアルドステロン拮抗薬の追加が記された。
心肥大について,JSH2009ではRA系阻害薬/長時間作用型Ca拮抗薬が第一選択薬と変更された。
食事療法
塩分制限
1日6g以下を目標。
運動療法
Q.よくつかわれる血圧の薬にはどんなのがありますか?
A.よくつかわれる降圧薬の大きな分類は以下になります。
種類
ARB(アンギオテンシン受容体拮抗薬):単剤と合剤の2種
ACE(アンジオテンシン変換酵素)阻害薬
CCB(カルシウム拮抗薬):ジヒドロピリンジン系とベンゾジアゼピン系の2種
β遮断薬
利尿剤:サイアザイド系、カリウム保持性、ループ利尿薬
α遮断薬
アルドステロン拮抗薬
よくつかわれる具体的な薬剤名と値段です。
ARB
今のところジェネリックはありません。
ニューロタン(50mg) 1錠168円
ブロプレス(8mg) 1錠162.1円
ディオバン(80mg) 1錠136.2円
ミカルディス (40mg) 1錠154.2円
オルメテック (20mg) 1錠155.0円
イルベタン (100mg) 1錠154.2円
ARBとサイアザイドの合剤:プレミネント (ニューロタン50mg/サイアザイド12.5mg) 1錠171円
注意:妊娠時・授乳時は使えません。カリウムが上がることがあります。
ACE阻害薬
レニベース(5mg)1錠83.7円
ロンゲス(10mg)1錠63.3円
タナトリル(5mg)1錠78.4円
オドリック(1mg)1錠77.2円
注意:妊娠時・授乳時は使えません。咳がでることがあります。カリウムが上がることがります。血管神経性浮腫を起こすことがあります。
CCB
ノルバスク(5mg) 1錠75.6円
アダラートCR(40mg)1錠77.1円
アテレック(10mg)1錠77.7円
コニール(4mg)1錠66.6円
注意:動悸、頭痛、ほてり感、浮腫、歯肉増生、便秘を起こすことがります。
β遮断薬
テノーミン(50mg)1錠111.5円
セレクトール(200mg)1錠149.9円
注意:気管支喘息を悪化させることがあります。徐脈を悪化させることがあります。血糖・高脂血症を増悪することがあります。
αβ遮断薬
アーチスト(10mg)1錠82円
注意:気管支喘息を悪化させることがあります。徐脈を悪化させることがあります。血糖・高脂血症を増悪することがあります。
利尿剤
ラシックス(40mg)1錠17円
ナトリックス(1mg)13.2円
フルイトラン1錠9円