平成25年4月一部改定
慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease:CKD)
この項目はKDIGO2012、CKD診療ガイドライン 2012、Up To Date を参考にして記載しました。
Q.CKDの定義は?
CKDの定義は下記の片方または両方が3 カ月以上持続することにより診断する。
(1)腎障害を示唆する所見(検尿異常,画像異常,血液異常,病理所見など)の存在
(2)GFR 60 mL/分/1.73 m2 未満
Q.eGFRって何?
eGFRっていうのは腎機能のことで、最近よくつかわれるのは簡易eGFRといって、クレアチニン(Cr)、年齢、性別から近い値を推測してだされる値です。
60以下が3か月以上持続すると、CKDということになります。
<eGFRを計算する>
⇒ BANYU(CKD)
⇒ CKD早見表
Q.CKDステージ分類って何?
CKDの重症度は,原因(Cause:C),腎機能(GFR:G),タンパク尿(アルブミン尿:A)によるCGA分類で評価します。
ステージを色分けして分類しており,緑はリスクが最も低い状態で,黄→オレンジ→赤となるほど死亡,末期腎不全(ESKD)などのリスクが高くなります。
CKD重症度分類を簡単に調べるiPad用アプリ
Q.CKDは生活習慣と関係がありますか?
喫煙、塩分過多、肥満はいずれもCKDの進行に影響を与えるとされていますので、いずれも改善が必要です。
Q.CKDでは血圧はどれくらいがいいですか?
CKD患者の血圧の管理目標は130/80 mmHg以下です。
高齢者では140/90以下とし、腎機能の悪化臓器の虚血症状がみられなければ、130/80以下に慎重に降圧とされています。
また、収縮期血圧110mmHg未満の過度な降圧は避けます。
降圧薬の使い方は以下のようになっています。
Ca拮抗薬は、L/N型Caチャンネルを抑制するシルニジピン(アテレック)が腎機能保護作用を有するとする論文が多数あります。
特にCARTER Studyではシルニジピンが尿蛋白減少効果あると報告しています。
多施設・オープンラベル・無作為化試験であり、十分質が高いとは言えないが、選択を考慮すべきです。
日本におけるCKD治療の現状を見たい。
日本腎臓学会による「エビデンスに基づく CKD診療ガイドライン 2012」を参照してください。
このガイドラインは日本腎臓学会が作ったガイドラインです。
クリックするとPDFファイルが開きます。(少し時間がかかります。)
CKD診療ガイド2012 日本腎臓学会編
世界におけるCKD治療の現状を見たい。
日本腎臓学会Kideny Disease Improving global outcomes (KDOGO:国際腎臓病予後改善委員会)によるKDIGO2012 CKD Guidelinesを参照してください。
KDIGO(国際腎臓病予後改善委員)という団体が作ったガイドラインで、世界における腎臓病治療の指針となります。
下記からダウンロードできます。
KDIGO2012 CKD